世の中にはいろんな木材が存在しますが、建築に使用できるモノは限られているようです。この画像にあるものが構造物や、建材に使用できる代表的なものなんですね。 この中でも杉・ヒノキ・松・ヒバなどは構造物でも内装材でも使用できるモノで、桐なんかは造作部材ですし、トチとかはカウンターやテーブルで見かけることも多いと思います。その他の部材は、材木屋でもブナやクヌギなどは扱うことが少ないんでしょうか？ よく住宅で｢総ヒノキの家｣とか、｢総ケヤキで建てた｣とか耳にします。あれは構造材の意味ですね。よくよく考えてみると、構造材全て統一できる木材はヒノキとケヤキぐらいでしょうか？杉もいけそうな感じもしますが土台には不向きですし、松も土台には使えません。使えないというより、使わない。ですね。害虫に弱かったり、腐りやすかったり、耐久性の問題があるんです。要は部材による適材があるということが大事なんです。

お次はホームセンターに売っている木材。値段も安く寸法もきっちりでお買い得です。しかし、これは木自体があまりよいものではないかも。（別に非難しているわけではありませんのであしからず）木の断面を見てみると、年輪が広いのがわかります。よい木材は目（年輪の幅）がつまってますし、風通しの良い場所で保管するのが一般的です。ただ個人的に使用したりするのであればこれでも全く問題なし。ＤＩＹですね。 ちなみにこの木材、これだけ年輪が広かったり、乾燥しすぎる場所で保管されていると、割れたり反ったりしやすい可能性があります。ただ単にムジ（節の無いもの）だからといってそれだけの価値がないものもありますね。

これは破風に使用するものですが、ムジが前提。よしよし、長さも幅も品質もいけると思いきや、この動画にある箇所が問題。 この割れがだめなんですね。ちょっとわかりにくいですが。しかしこれは重要な問題点。これは通常の割れではなく、水割れというもの。水割れとは木材が成長する為に軸方向の細胞を通して水を吸い上げており、その細胞内の水が厳しい冬場の凍結により、膨張して亀裂におよんだもので、こうなると表面意外に割れが全体に及んでいる可能性があるんです。非常にわかりにくいですが、このまま納品すると、しばらく経ってから被害が出るのが予想されるんでこの部材は却下。

無垢材は自然物に手をかけて利用するもので難しさもありますが、無垢材本来の良さもあります。では無垢材以外はどうか？別に無垢材を推奨しているわけでもないですし、集成材を使用した物件も多く手掛けています。（写真の構造物は集成材）用途用途に応じて使用するか、こだわりをもつか、デザインか、価格か。それは色々ですが、人間誰しも木の良さって知らず知らず感じているのは間違いないはず。また木って人の手に入るまでいろんな手間がかかっているんです。住宅を建築する際、少しでも自然の木の良さを感じて頂ければなぁと考えた日記でした。